R. シュトラウス・シンポジウム論考集 御礼



(会場だった関西大学千里山キャンパス第一学舎)


昨年2015年5月31日に日本独文学会春季研究発表会で行ったシュトラウス・シンポジウム。その成果としてまとめた日本独文学会研究叢書を、10月22、23日に関西大学で開催された秋季研究発表会で配布しました。約200部あったものが、残ったのは何とたったの33部でした。



(右端のうす緑色のが私どもの叢書)


これで漸く、構想から数えると足かけ2年半のシュトラウス・シンポジウムに一区切りが付きました。しかも、望外の上首尾で。

評判というものは、意外と当事者の耳には直接届かないもので、ずいぶん経ってから「あのシンポジウムはすごく評判良かったですよね」と言われて「えっ、そうなんですか!? そうだったのなら嬉しいです」と、謙遜でも何でもなく本当に驚いたこともあったくらいです。それが今回、このように目に見える形で結果を出すことができて、自分でも意外なほどホッとし力が抜けて、その晩はいい気分で酔っ払ってしまいました(笑)。



(最終的な残部はこの33冊!)


正直に言えば、これまでは(今でもですが)決して平坦な道のりではなく、「こんな研究は意味がない」というような厳しいことを言われたり、心ない言葉で揶揄されることも少なからずありました。迎合したほうがよほど楽ではないかと、挫けかけたこともあります。でも不思議とその度に新しい出会いがあったり、別の機会への手を差し伸べられたりと助けられることが多く、何とか自分の思う道を歩んで来ることができたのです。

そのようにして細々と続けてきた研究をまとめたものが、これだけの部数捌けたということは、言うまでもなくそれだけ興味を持って頂けたということで、私の方向性は決して独善的でもなければ、間違ってもいなかったということなのだなと、心底安堵し、じんわりと喜びを噛み締めています。

もちろんこれは私などの力ではなく、演劇学の北川千香子さん、音楽学の広瀬大介さん、声楽家の望月哲也さんという(アイウエオ順です! 偶然シンポジウムでの発表順でもありますが…笑)、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの、名実ともに日本を代表する優秀な研究者・音楽家のお陰に他なりません。私などの呼びかけに快く応じてくださって、どうもありがとう。この顔ぶれが決まった時は、「私にできるんだろうか?」と震える思いも実はありました(告白)。でも皆さんのお陰でとても明るく楽しく、常に前向きな雰囲気で準備を進めることができて、この経験は一生のお宝です。



(左から、北川・望月・広瀬の各氏)


そして、私にこの機会というか指令を与えてくださった武蔵大学教授(今や副学長!)である光野正幸先生、この、漬け物石のように頑固でいつまで経っても不肖の弟子である私を、今もってお引き回しくださって、本当にどうもありがとうございます。少しはご恩返しができたようなら、とても嬉しいです。



(宅急便で送り返す覚悟もしていたのが、小ぶりのエコバッグでお持ち帰り可、という嬉しい結果に。)


そして、関心を持って昨年のシンポジウムを聴きにお出でくださった方々、今回の学会会場で研究叢書を手に取ってくださった方々に心より感謝申し上げます。
(2016/10/25)

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Stimme vol. 5 『風立ちぬ』終了



(竹風堂善光寺大門店3Fにある、大門ホールの控え室窓から望む)


昨日、見事な秋晴れに恵まれた日に、朗読コンサート Stimme vol. 5 を開催いたしました。





演目は、堀辰雄の名作中の名作、『風立ちぬ』。以前、堀の『大和路・信濃路』から「樹下」を読んだことはあったのですが、やはりこれだけの大作に挑むのにはかなりの勇気が必要でした。

今回、共演して頂いたヴァイオリニストの外山陽子さんとチェリストの宮澤等さんのお二方にサジェッションを頂き、耳に馴染みやすい曲をテーマ音楽のように扱ってみることにしました。そこで選んだのが、「庭の千草」の邦題で知られるアイルランド民謡の《夏の名残の薔薇》。これを、ヴァイオリン旋律・チェロ旋律・ヴァイオリン独奏・チェロ独奏とさまざまなヴァリエーションで、しかも場面によって奏法も変化させて頂き、とても効果を上げることができました。



(左から、チェリスト宮澤等さん、ヴァイオリニスト外山陽子さん、朗読者野口)


堀の文体というのは一種独特で、リズムがありながら、どこか良い意味でのトラップがあったりします。音楽で言えば装飾音があるような(?)。うっかり見切り発車で勝手に読むと、この罠にはまってしまうため、とことん、堀の文章に集中して対峙しないと、読ませてくれないのです。そこが堀文学の、情緒的でありながらも芯の強いところなのだろうかと、今回改めて感じました。

自然の描写も、自我のフィルターを通したヨーロッパ的なもので、日本的な花鳥風月の描き方とも異なり、自然の中に在る自分・自然を見つめ食い込んで行くような視線で捉えられています。

家人に指摘されて「そ、そうかな!?」と自分でたじろいでしまうのは、「読み方が恐ろしい」と。これは私の文学者としての、それも日本文学ではなくてドイツ文学者としての性のようなものかも知れないのですが、私が作品から引き出して伝えたいと思うのは、描写の(いわば表面上の)美しさだけではなく、その「美しさ」の根幹にあるものであって、それにアプローチしたいともがいているわけです。

それを「怖い」と評されてしまうのは、まだまだ深め方も実力も足りないということですが、この過程を経た上での「美しさ」を表現できて初めて、それは「美しい」ということになるのだという信念を持っています。

私は珠を転がすような美声の持ち主でもなければ、スラスラと流麗に読める器用なタイプでもなく、常にもがき憧れてジタバタしているような冴えない人間なのですが、そこに音楽があると、やはり救われるような気がするのです。(2016/10/17)


【今後の予定】
☆12月11日・ヴィオラ奏者中山良夫氏と宮澤賢治『よだかの星』(山形)

☆12月26日・ピアノ奏者大田麻佐子氏とパウル・ツェラン『声たち』(翻訳/野口)他(長野)

☆12月27日・ピアノ奏者大田麻佐子氏とミュラー『冬の旅』(翻訳/野口)他(黒姫)

☆2017年2月5日・中山良夫(ヴィオラ)高橋牧子(ピアノ)の両氏と、立原道造『優しき歌』、堀辰雄『浄瑠璃寺の春』(さいたま)

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Stimme vol. 5 に向けて



(朗読テクストと楽譜をつき合わせながら。)



10月16日(日)に、長野市の善光寺参道にある竹風堂大門ホールで、朗読コンサート Stimme vol. 5 を行います。演目は、堀辰雄の代表作『風立ちぬ』です。

今回は、長野にゆかりのある演奏家である、ヴァイオリニストの外山陽子さん、チェリストの宮澤等さんのお二人と共演します。

先日、長野市にある小出音楽事務所様に場所を提供して頂き、私が作った叩き台を基に、全体の構成の確認と、それに適ったバランスを考慮しながらの選曲作業を行いました。




(スマホでたちどころに候補に挙がった曲を呼び出すチェリストと、譜面でのチェックを怠らないヴァイオリニスト。)



「三人寄れば文殊の知恵」とはよく言ったもので、つぎつぎに興味深いアイディアが出て、とても充実したミーティングになりました。次回の打ち合わせは、実際に声と音を出しながらになる予定です。

良い公演になる予感です。どうぞお楽しみに!
(2016/06/25)

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【日本独文学会会員および関係者のみなさま】





写真にあります、日本独文学会研究叢書115、本来であれば明日28日と明後日29日の春季研究発表会期間中に会場の獨協大学でお配りする予定でしたが、印刷会社側のミスによる落丁があったため、現在刷り直し中です。明日明後日には間に合わないそうなので、学会側のご配慮により変則的ではありますが、10月22、23日に関西大学で行われます秋季研究発表会会場でお配りすることとなりました。

ご迷惑をおかけいたします。刷り直したものの納品は近いうちになされると思いますので、執筆者の方々にはお送りできると思います。
(2016/05/27)

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山下浩司バス・バリトンリサイタル









山下浩司さんのリサイタルを聴きに、白寿ホールまで行きました。ピアノは河原忠之さん(2016年5月19日)。

演目は《美しき水車小屋の娘》全曲。誰でも、この歌曲集の歌とは意識していなくとも必ずと言って良いほど知っているだろう、有名な歌のかずかず。これらを、曲調、ひいては詩の内容によって、実にさまざまな声のトーンで聴かせてくださり、また河原さんの表情豊かなピアノに、私も多分それに合わせて百面相をしながら聴いていたと自己分析(笑)。

山下さんらしい、朗々とした厚みのある響きはもちろん、苦しげで切ない声、優しいまなざしを感じる声、憧れと追憶に満ちた声…。緑、白、赤、黒の色が、「見える」と言うような表面的なことではなく、心の裡、脳裏の深いところで「感じる」ような歌唱でした。リートでは言葉と音楽の結びつきがかように深く、歌とピアノの関係もかように親密なのだと、改めて感じ入りました。

「言葉が音楽という翼を得ると、歌になる」というのが、常日頃感じている私の信条(?)なのですが、それを実感できる、幸せなひとときでした。
(2016年5月20日)

【追記】:歌詞の訳がスクリーンで映されていたのですが、視線を上に動かす余裕がなくて^^;、せっかくの三ヶ尻正さんの訳でしたけれども、ほとんど見る余裕がありませんでした(残念…)

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2015年最後の大仕事。

2015年もそろそろおしまい。という書き出しの前エントリで話題に挙げた、R. シュトラウス・シンポジウムの成果を形にする日本独文学会研究叢書。無事、18日に原稿を発送しました\(^o^)/。執筆者と論文タイトルは以下の通りです。








今回はオンライン入稿ではなく、完全原稿をプリントアウトした原版を入稿しなければならず、つまり原則として、提出したものがそのまま印刷されるため、自ずとプレッシャーもかかりました。プリンタの状態やインク切れの心配をしたのは、おそらく修士論文の提出以来だった気がします(笑)。

そんな中でも、SNS内に作った学会シンポ打ち合わせ用のグループで頻繁にやり取りができたため、ずいぶん励まされ癒されましたし、このメンバーだったからこそ頑張れたのだと思います。改めて、北川千香子さん、広瀬大介さん、望月哲也さんの三氏と、そして何よりもシンポジウムのきっかけを作ってくださった光野正幸先生にお礼を申し上げたいと思います。



(郵便局で原稿を発送したあと、その足で行きつけのカフェで乾杯!)


そして…これだけでも充分大仕事だったわけですが、実はそれと並行してCDリリースのための作業も行っていました。本来は、このCDの仕事が私の手を離れるのは11月中のはずだったのですが、諸般の事情により押せ押せになってしまい、完全に研究叢書の原稿執筆・編集作業と同時進行になりました。自分は無事に年を越せるのだろうかと気が遠くなるほど大変でしたが、この修羅場をくぐり抜けたことで、もう大抵のことなら動じないような気分になっています(苦笑)。





いつも朗読コンサートのチラシやプログラムをお願いしているオフィス・ルーチェの相澤久仁子さんに、このCDジャケットのデザインもお願いしました。いつもながら素敵なセンスで仕上げていただいて嬉しいです。本当にお世話になりました。また、CDリリースのご提案をしてくださった、朗読家・フリーアナウンサーの秋山雅子さんにも今年はいろいろなサジェッションをいただきました。どうもありがとうございます。





CDについては、年が改まってから本格的にご案内するつもりでおりますが、嬉しいことに既に何件かのお問い合わせとご注文をいただいており、発送作業も進めております。CDの内容は、6月28日に行った Stimme vol. 3同じ構成です(ライブ録音ではありません)。もしご興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、

stimme_kultur@yahoo.co.jp

までどうぞ。2枚組3,000円です。





それでは皆さまもどうぞ佳いお年をお迎えください。
(2015/12/30)

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R. シュトラウス・シンポジウム論考集

2015年もそろそろおしまい。今年は本当にいろいろなご縁に恵まれ、多くの実りある仕事をさせて頂いております。

5月に日本独文学会の全国大会で行ったR. シュトラウス・シンポジウムは、私の積年の念願が、自分として考え得る限り最高の形で実現した大舞台でした。改めて関わってくださった方たちに心から感謝いたします。



(広瀬・望月両氏による本番前の音合わせ)


そして現在、この成果を形にするべく、シンポジスト一同論文作成に励んでおります。日本独文学会の研究叢書として、ISBNの付く正式な刊行物となります。



(若き才能!)


世に出るのは来春になりますが、締め切り間際のこの苦しい状況のなかでも、懐かしく盛り上がったりしています。今回、私は編集責任者でかなりあたふたしているのですが、広瀬大介さんのキャラクターに癒されております(笑)。思えば、このシンポジウムも広瀬さんの気配りでとてもスムーズに進行したのでした。私一人では、とてもあのように好ましい形でまとまらなかったと思います。



(右端おじゃま虫^^;)



(発起人?の光野正幸先生を交え、シンポジスト顔合わせの一コマ)


素晴らしい仲間に恵まれたこと、何ものにも代えがたい一生の宝です。どうもありがとうございました。
(2015/12/14)

【ボーナストラック】
意気投合するシュトラウス研究者とシュトラウス歌い。もっちーに「ねえ、撮って撮って」とせがまれた一枚(笑)。


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Stimme vol. 4 終了



(中山組!笑)

去る11月8日、Stimme vol. 4を大過なく終えることができました。





今回は朗読者二名にヴィオラ奏者二名の計四名という、この手の企画にしては大人数が舞台に乗りました。演目によって構成も変わったので少々ややこしかったのですが、聡明なステマネ東海林雅子さんのお陰で恙なく進行しました。感謝です。





今回は、テクストに解剖学用語が多用されていることもあり、解剖学者の山口康昭氏を交えてのレクチャーを第一部に行いました。聴きに来てくださったオペラ研究家の森岡実穂さんから、「レクチャーの時はスライドか何かで解剖用語や図版を映して可視化したほうが、聴き手としては第二部の朗読にも入りやすかったと思う」というご指摘を頂きました。今後に生かしたいと思います。

第二部前半に読んだベンの『モルグ(遺体安置所)』と、ヒンデミットの無伴奏ヴィオラソナタ。ベンとヒンデミットはまさに同時代のひとで、往復書簡も交されているだけあり、詩と曲の成立そのものには関わりはないのですが、誂えたかのような親和性があったように思います。東京都交響楽団団友の中山良夫先生との師弟の息もピッタリ…と言いたいところですが、GP時に「『レクイエム』は、ヴィオラの余韻が完全に消えてから読んでね。さっきはまだ残ってるうちに読み始めちゃったから、早かったよ。」とダメ出しをされ、あくまで師弟関係なのでありました(^◇^;)。これまで上手くいった(と思っていた)のは、中山先生の絶妙なサポートあってこそのことだったのだと、今さらのように実感…





第二部後半は、ギムナジウム卒のバイリンガルで、ツェラン研究家の三ッ石祐子のドイツ語朗読も交えました。P. ツェランの『声たち』では、バッハ・コレギウム・ジャパンやオーケストラ・リベラ・クラシカでも活躍中の山形交響楽団首席奏者の成田寛氏が弾くバッハの無伴奏チェロ組曲第四番との饗宴でした。が、成田氏の奏でるバロック・ヴィオラの響きを受けて読む、ということがとても大変で、思ったように声が通らないという痛恨の状況に陥ってしまいました。コンディションには特に問題はなく、GPでも声の張りも通りも決して悪くなかったのに。喩えてみれば、まるで温泉に中ってしまったような感じです。きっと成田氏は、「挑んでくる」と言うと穏やかではありませんが、中山先生のような師としてのフォローとは違い、私(たち)に対して容赦のない真剣勝負をしてきたのだろうと思います。そして私は、その真剣白刃どりができなかった…というわけですorz。続く『死のフーガ』では持ち直したので、やはり成田氏の音に中ったとしか言いようがありません。ただ、逆を言えば非常に貴重な体験でもありました。こんな経験はしたくてもできない場合がほとんどでしょうから、とても贅沢でもあり、またある種の幸福感すらありました。





行き当たりばったりや単なる思いつきではなく、自分が納得できる形で企画を実現させたいという思いだけで、各方面への依頼や打ち合わせを夢中でしていて、気づいたら凄い企画に凄い共演者が揃い、自分のパフォーマンスが問われるという事態になっていた、というのが正直なところです(汗)。打ち上げの時に、森岡さんからは「トップクラスのヴィオラ奏者を二人も呼んだ時点で、野口さんはもう少し自覚をしたほうがいい」と言われただけあって、お陰さまで企画全体としては誇れるものになったと自負しています。





そして5月のシュトラウス・シンポジウムの時に続いて、今回も中山良夫と成田寛という、日本を代表する素晴らしいヴィオラ奏者をお繋ぎできたということが、何よりも誇らしく嬉しいことでした。自分でもお役に立てることがあるのだと、しみじみ感じています。このお二人のデュオも素晴らしく、次に聴く機会は果たしてあるのか、、と考えると、また企画しようかなどという念も…(笑)

成田氏も私の企画を面白がってくれたのか、「しかし、ドイツ語の後にバッハを弾くっていうのはいいね。もちろんカンタータは何度もやっているけれど、歌ではなく純粋なドイツ語朗読の後に弾いたのは初めてだったから。バッハの音楽を再認識する」「じゃ、次は五番で」と言ってくださったのも嬉しかったです。やはりまた企画しましょう。今度はちゃんと白刃どりできるよう、精進します(笑)。

共演してくださった方々、お手伝いをしてくださった方々、そして何よりも聴きに来てくださった方々に、心より御礼申し上げます。
(2015/11/12)

オマケ(笑)


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涙がこぼれないように
いっしょうけんめいに上を向いて歩いているのだけれど
上を向いても涙って
こぼれちゃうんだね
あなたが笑っているから
笑わなくっちゃと思うんだけれど
まだ無理
でも
もう少ししたら笑うから
きっと仲間も同じ気持ち
金曜日には会いに行きます

陽子ちゃん
どうもありがとう
お疲れさまでした
心より
R.I.P.

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イル・デーヴ松本公演



(松本場所...笑)

イル・デーヴ。言わずと知れた実力者揃いの大人気ユニット。東京では瞬間蒸発チケットのため、不戦敗と言いますか戦線離脱で未聴だったのですが、松本公演のチケットをゲットできたので、ついに聴くことができました。


(セカンド・アルバム入手。サイン頂きました)

私などが今さら言うまでもなく高い評価を受けているユニットですし、勿論CDは持っているのですが、生で聴いてこの人気にも納得。びよら弾きのサガで、アンサンブルとなるとつい内声に注目してしまうのですが、その内声の大槻さんと青山さんが、望月さんと山下さんの間を埋めるというだけに留まらず、時に抜きん出た歌唱で立体的な音空間を作っておいででした。山下さんが支える重厚な低音、望月さんの降り注ぐような声。オブリガードも絶品でした。


(終演後、ロビーにてサイン会)

そしてそして、特筆すべきは河原さんのピアノ。河原さんプロデュースの「歌霊」や望月さんのリサイタルシリーズ「Wanderer」を拝聴して毎度感服するのですが、ピアノの蓋は全開、タッチも全く抑えている様子はないのに、歌をかき消すということが全くないのですよね。時に丁々発止と渡り合い、時にリードし、時に寄り添って響き合う。これはアンサンブルの極致なのだと感じます。そしてこの懐の深いピアノの響きの上で、自由に遊ばせてもらっている男子ズの様相。聴いていると自然と笑顔になってしまうイル・デーヴ。実はピアノ・クインテットなのかも知れません(^^)。
(2015/10/10)

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