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『私の血はインクでできているのよ』

Photo 久世番子著(講談社)のこの漫画は、久し振りにツボにハマってしまった。前作の『番線』(新書館)もかなり親近感を抱いたものだが、今回は「うんうん、あったあった」「みんな(?)そうだったのね~」とひとりごちながら一気読み(笑)。

何を隠そう、私も小学生の頃は「お絵かき少女」で、「なりたい職業」はズバリ「マンガ家」だった。それがどこで間違えたのか、今では絵ではなく言葉と音楽を相手に玉砕する日々・・・

しかし、手指の皮膚疾患でヴィオラを弾けない年月、ならばと思いデッサンを習い始めたせいか、また「お絵描き」魂が少し戻ってきている。きてはいるが・・・・やはり、元が本格デッサンではなくマンガお絵かき出身のせいか、今さらせっせとデッサンを描いても「芸術」に昇華させることなど、到底無理っぽいことも再確認している。

かと言って、それならばマンガ家にならなれそうなのか、と言えば「とんでもない!」。言うまでもなく、マンガは絵を描けさえすれば良いわけではない。ストーリーを創り、コマ割りをして話を進めなければならない。そんなこと、とてもではないが私にはできない。

と、ここまで考えて思い当たったのだが、実はマンガは、表現形態としてはオペラに似ているところがあるのではないか? どこまでをセリフ(言葉)で表現し、どこまでを絵(音楽)に任せるのか? コマ割りなど、まるで演出ではないか(少々牽強付会か)。

絵を描くのは好きだけれど、美術にもなれず、漫画にもなれず。そんなどっちつかずの我が身は、高校の美術部で部長をしていながら美大ではなくマンガ家への道を突き進んだこの「番子さん」キャラクターに非常にシンパシーを感じてしまう。いや、番子さんは立派に漫画家として立っていらっしゃるのだから、どちらにもなれない自分と一緒にしてしまうのは失礼極まりないのだが・・・

それにしても、「おひめさまを描く練習」「バレリーナを描く練習」「金髪にバラを描く練習」(いずれも本書より)・・・・ええ、毎日励んでいましたとも。あの日々を思い久々に手帳の片隅にボールペンで「オスカル様」と「アントワネット様」を描いてしまった。受験期でも大学ノートは落書きだらけ、、というあたりも、身に覚えがありすぎて・・・・・typhoon  

番子さん、願わくは『太宰治の「富嶽百景」のまんが』(本書77ページ)を世に送り出してください!fuji (2009/03/23)

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