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ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ウィーン・フィルはチケットを取るのが難しいからと、すっかり出遅れていた我が家だが、指揮者のキャンセル続きでついにチケット払い戻し、それを受けての再発売。しかも、指揮者がプレートルときたら、何としても聴きたい!

ということで、11月10日にサントリー・ホールで聴いてきた。プログラムは、シューベルトの交響曲第二番とベートーヴェンのエロイカ。

プレートルはオペラが得意なだけあって、「呼吸」で指揮をする。指揮者に派手なパフォーマンス性を求めるタイプの音楽ファンにとっては、見た目は地味なので少し物足りないかも知れない。けれども、音楽は打点でできているのではなく、呼吸でできているのだ、ということをこれだけ素敵に示してくれる指揮者は、そういないのではないだろうか。「自分はこういう音楽を創りたいから、あとは皆さんよろしく」という感じで、指揮者はきっかけを作るだけで、あとはオーケストラに任せる指揮。楽団員もさぞやりがいがあることだろう。

あれだけの歌心が、常に一定の振り方で表出されるとは考えにくい。だから、きっと、振る度に違うのだろうと拝察する。呼吸の指揮だから、さすがによく反応していたのは管楽器のほう。でも、弦もヴィオラ以下の中低弦がよく支えていた。

それにしても、あんなに自由なエロイカは初めて聴いた。この曲は割とかっちりした演奏が多いし、変拍子も多用されているから、譜面通りに弾けばちゃんとした演奏になり、だからと言ってそれで特に退屈になるわけでもない。それを、あんなに自由に歌い、かつそれで崩れるどころか、新鮮なエロイカになるのだから眼から鱗だった。

怒涛の第四楽章の掛け合いがひとしきり終わってオーボエのソロが出てくる頃には、聴いていても弾いていても「あぁ、そろそろ終わる~」と思うのだが、当夜の演奏は、そんなことを考える暇もなく、あっという間に終わってしまった感じだった。

そんな素敵な演奏会で特筆したいのが、当夜の聴衆の質の良さ。空席がないわけではなかったが、それだけに、客席を埋めていたのは本当にプレートルのウィーン・フィルを聴きたい人ばかりだったように感じる。拍手も、「フライング禁止」といった変な緊張を強いることなく自然に沸き起こり、それがどんどん熱くなっていく、という風だった。客席で受け取ったこの幸福感は、きっと指揮者と楽団員にも伝わっていることだろう。音楽の享受という点でも、まれにみる体験だった。私は二階席だったので一般参賀はかなわなかったが(笑)、二階から手を振ってしまったheart04。チャーミングなプレートル翁に乾杯wine(2010/11/12)

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