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R. シュトラウス・シンポジウム@日本独文学会






5月30、31日の二日間、東京の武蔵大学において2015年度日本独文学会春季研究発表会(全国大会)が開かれました。その二日目の31日に、「R. シュトラウスのオペラ作品における音楽と文学の関係性を読み解く」と題したシンポジウムを行いました。

指導教授である光野正幸先生にシンポジウムの企画と司会を任され、さてどうしようと路頭に迷った^^;のが、ちょうど一年前のこと。シンポジストを集めるに際しては、私と同世代や上の世代ではなく、せっかくだから若い研究者を集めろ、との指示が飛びました。

お題は当然、リヒャルト・シュトラウスです。シュトラウスと言えば・・・と、私の友人知人の中で真っ先に思い浮かんだのが、音楽学者の広瀬大介さんと、声楽家の望月哲也さんです。しかし、今さら説明するまでもなく、お二人ともまさに今が旬の人気者。いくら個人的な知り合いだとはいえ、そんな人たちが出てくれるだろうかと逡巡しながらも、ええい、ダメもとだ、と恐る恐〜るお伺いを立ててみたところ、何とお二人ともにご快諾を頂いたのでした。日本を代表するシュトラウス研究者とテノール歌手が同じ壇上に上がるなどということは、これ迄ありそうでなかったこと。いやー、これは凄いことになりそうだと、武者震いをしたものでした(笑)。



(左より、望月・北川・広瀬・野口)


さらに、オペラ芸術における演劇学、という視点から研究をなさっておいでの北川千香子さんをお迎えすることもできました。ストレートプレイとしての演劇を研究する学者は数多いるものの、オペラを扱う演劇学の研究者はまだ日本では殆どいません。これが日本でオペラ研究が遅れている一因であることは否めず、その意味でも北川さんは間違いなく、これからのオペラ研究の一翼を担う逸材です。

こうして、いま自分が考えうる限りの、最高の布陣でシンポジウムに臨むことが可能になったのです。



(撮影:山本まり子さん)


当日はまず、北川さんが《エレクトラ》について報告をし、続いて私が《アラベラ》で発表しました。北川さんも私も、独文学の世界では「亜流」扱いをされてきており、何ともやるせない悔しさを禁じ得なかったのですが、今回のシンポジウムでは、広瀬さんがそんな私たちの発表を見事に受けた上で、音楽学の立場から主に調性に焦点を絞って、シュトラウスのオペラを分析。そして、シュトラウスを得意とする望月さんが、日本人の声楽家としての立場から、どのように言葉を解釈し、その解釈に則ってどのように発音し、さらにそれを歌唱に繋げるのか、ということを、実演を交えて発表してくださいました。



(撮影:山本まり子さん)


音楽関係のお二人による発表と実演は、圧倒的な説得力を持ったものであり、このように専門の異なる立場の者が手を携えることこそ、かねてより私がやりたいと心から願ってきたオペラ研究なのです。文学(リブレット)のみならず、演劇学・音楽学・演奏家が揃って初めて、オペラの本丸に挑むことができる。殊に、オペラは舞台表象芸術なので、北川さんのような研究者と、言葉に真摯に向き合う望月さんのような声楽家は欠くべからざる存在です。



(撮影:今里讓さん)


広瀬・望月・北川のお三方はそれぞれ「お名前はかねがね」であったにも拘らずお互いに面識はなく、たまたま私が共通項であったのですが、この優秀なお三方を繋ぐことができたのが、今回の私の最大の功績であったのかも知れません。願わくは、この出逢いが今後の実り多い研究に繋がらんことを! それが私への一番のご褒美でしょうか。



(これもとても素敵なご褒美!)

このシンポジウムに関わってくださった全ての方たちに、心より感謝いたします。
(2015/06/01)

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