« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »

2015年11月

Stimme vol. 4 終了



(中山組!笑)

去る11月8日、Stimme vol. 4を大過なく終えることができました。





今回は朗読者二名にヴィオラ奏者二名の計四名という、この手の企画にしては大人数が舞台に乗りました。演目によって構成も変わったので少々ややこしかったのですが、聡明なステマネ東海林雅子さんのお陰で恙なく進行しました。感謝です。





今回は、テクストに解剖学用語が多用されていることもあり、解剖学者の山口康昭氏を交えてのレクチャーを第一部に行いました。聴きに来てくださったオペラ研究家の森岡実穂さんから、「レクチャーの時はスライドか何かで解剖用語や図版を映して可視化したほうが、聴き手としては第二部の朗読にも入りやすかったと思う」というご指摘を頂きました。今後に生かしたいと思います。

第二部前半に読んだベンの『モルグ(遺体安置所)』と、ヒンデミットの無伴奏ヴィオラソナタ。ベンとヒンデミットはまさに同時代のひとで、往復書簡も交されているだけあり、詩と曲の成立そのものには関わりはないのですが、誂えたかのような親和性があったように思います。東京都交響楽団団友の中山良夫先生との師弟の息もピッタリ…と言いたいところですが、GP時に「『レクイエム』は、ヴィオラの余韻が完全に消えてから読んでね。さっきはまだ残ってるうちに読み始めちゃったから、早かったよ。」とダメ出しをされ、あくまで師弟関係なのでありました(^◇^;)。これまで上手くいった(と思っていた)のは、中山先生の絶妙なサポートあってこそのことだったのだと、今さらのように実感…





第二部後半は、ギムナジウム卒のバイリンガルで、ツェラン研究家の三ッ石祐子のドイツ語朗読も交えました。P. ツェランの『声たち』では、バッハ・コレギウム・ジャパンやオーケストラ・リベラ・クラシカでも活躍中の山形交響楽団首席奏者の成田寛氏が弾くバッハの無伴奏チェロ組曲第四番との饗宴でした。が、成田氏の奏でるバロック・ヴィオラの響きを受けて読む、ということがとても大変で、思ったように声が通らないという痛恨の状況に陥ってしまいました。コンディションには特に問題はなく、GPでも声の張りも通りも決して悪くなかったのに。喩えてみれば、まるで温泉に中ってしまったような感じです。きっと成田氏は、「挑んでくる」と言うと穏やかではありませんが、中山先生のような師としてのフォローとは違い、私(たち)に対して容赦のない真剣勝負をしてきたのだろうと思います。そして私は、その真剣白刃どりができなかった…というわけですorz。続く『死のフーガ』では持ち直したので、やはり成田氏の音に中ったとしか言いようがありません。ただ、逆を言えば非常に貴重な体験でもありました。こんな経験はしたくてもできない場合がほとんどでしょうから、とても贅沢でもあり、またある種の幸福感すらありました。





行き当たりばったりや単なる思いつきではなく、自分が納得できる形で企画を実現させたいという思いだけで、各方面への依頼や打ち合わせを夢中でしていて、気づいたら凄い企画に凄い共演者が揃い、自分のパフォーマンスが問われるという事態になっていた、というのが正直なところです(汗)。打ち上げの時に、森岡さんからは「トップクラスのヴィオラ奏者を二人も呼んだ時点で、野口さんはもう少し自覚をしたほうがいい」と言われただけあって、お陰さまで企画全体としては誇れるものになったと自負しています。





そして5月のシュトラウス・シンポジウムの時に続いて、今回も中山良夫と成田寛という、日本を代表する素晴らしいヴィオラ奏者をお繋ぎできたということが、何よりも誇らしく嬉しいことでした。自分でもお役に立てることがあるのだと、しみじみ感じています。このお二人のデュオも素晴らしく、次に聴く機会は果たしてあるのか、、と考えると、また企画しようかなどという念も…(笑)

成田氏も私の企画を面白がってくれたのか、「しかし、ドイツ語の後にバッハを弾くっていうのはいいね。もちろんカンタータは何度もやっているけれど、歌ではなく純粋なドイツ語朗読の後に弾いたのは初めてだったから。バッハの音楽を再認識する」「じゃ、次は五番で」と言ってくださったのも嬉しかったです。やはりまた企画しましょう。今度はちゃんと白刃どりできるよう、精進します(笑)。

共演してくださった方々、お手伝いをしてくださった方々、そして何よりも聴きに来てくださった方々に、心より御礼申し上げます。
(2015/11/12)

オマケ(笑)


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »